梨本卓幹の留学日記

ピアニスト梨本卓幹によるリアルタイム留学譚!

2024-06-25

梨本、ブダペストでコンサートしてきたってよinフバイ音楽ホール

ってことで今回は4月末にハンガリーを訪れたメインの目的、コンサート出演について書き留めておこうと思います!(とかいいつつ、すでに6月末である。)

コンサートはサロンにて

さて。

コンサートといっても、1500人入るホールでやることもあれば、300人くらいのキャパのホールでやることもありますが、今回はいわゆる「サロン・コンサート」と呼ばれるお客さんに囲まれて演奏するスタイル。

こんな感じ!

お客様に囲まれる梨本

ちなみに、このサロンコンサートのスタイルは、モーツァルトもショパンもやっていた、というかむしろ活動のメインだったのではないかと思いますが、とにかく歴史も深く、古くから親しまれているのです。

サロンで演奏するショパン
サロンで演奏するショパンの絵

会場となったのは、ブダペストのブダ側、ドナウ川すぐ横にある「ホテル・ヴィクトリア(Hotel Victoria)」の中にある一室。

その名も『フバイ音楽ホール(Hubay Jenő Zeneterem)』

フバイ、というのはハンガリーのヴァイリニスト/作曲家。

王様や国家元首たちに呼ばれたり、ハンガリーで初の国際的な弦楽四重奏団Hubay-Popper Quartetとして活躍していたそうです。ホテルのHPに書かれた情報によると、性格的にもよく、インテリだったとか。そんなことで、友人関係が広かったらしいです。完璧じゃないか!

会場はリアル・アンティーク

「リアル・アンティーク」なんて言葉があるのか知りませんが、まぁ、なんせ大昔から維持されてきたホテルの一室です。至る所に時代の重みを感じるわけです。

例えば、ホテルの入り口を入ってすぐの階段。

暗かった&歩きながら撮ったせいで細部はブレまくってますが、それでも伝わるこの年月を経た木材の深い色味。こういう作り物ではないリアルな重み、というものは、テーマパークやVRじゃ感じられない部分ですよねぇ

他にも、コンサート会場となった広間の窓が全部違うお花のステンドグラス(いや、専門的な用語では違うのかもしれん。)になっていて、すごく綺麗でした。

コンサートは大盛況

と、いけない。会場内見しただけでコンサートについて全然触れてない笑

ひとまずプログラムはこんな感じ。

プログラム
コンサートのプログラム(ハンガリー語表記です)

シューベルトの歌とクラリネットとピアノのトリオから始まり、シューマンの幻想小曲集、ブラームスのピアノソロ(118-2)、英語の歌詞のついた歌とクラリネットの曲、メンデルスゾーンのピアノ・クラリネット・バセットホルンのトリオ、徳山美奈子さんの「ムジカナラ」(ピアノソロ)、ジャンピエーリの「ヴェニスの謝肉祭」、そしてジブリの曲などなど。いろいろ詰め込まれた楽しいプログラムでした。

会場写真でも分かる通り、そこそこ椅子が並ぶ場所なんですが、椅子を追加するくらいたくさんの方が来てくださいました。留学中の日本人チームも来てくれたし、現地のハンガリー人マダムたちも来てくれたし、嬉しいです・・・!

プロとして初のブダペスト

実は、3年間の留学中は後半がコロナタイムだったこともあって、学校関係のものはいくつかあったけど、学外でのコンサートに出る機会というのが全くなかったんです。だから今回のコンサートは、イコール「初めてブダペストでプロとしてコンサートをした日」なのです。

嬉しかった・・・!!

スーパー共演者たち

コンサートはハンガリー人クラリネット奏者のジョルジ・シャラモンGyörgy Salamon氏が中心になってまとめてくれました。通称ジュリである彼は、長野や東京でも過去5回、一緒に演奏したことがあります。

Takumi / György Salamon

ハンガリー国立管弦楽団(Magzar Nemzeti zenekar)のバスクラリネット奏者として活躍する彼には、そして彼の奥様にもハンガリー語特訓にも付き合ってもらっております笑

他にも共演者がいました。

ソプラノ歌手のフジタ・ユリア(Fujita Yuria)。彼女は日本とハンガリーのハーフで、「日本語を練習する機会はレアだから、日本語で会話してほしい」と言ってくれました。日本に興味を持ってもらえるって、日本人としてはすごく嬉しい。

Takumi / Fujita Julia

シューベルトやイギリスの歌、さらには日本の歌も一緒に演奏しました!

そしてジュリと同じくクラリネット奏者でジュリの元教え子、カタリン・マーチャーシュ(Katarin Mátyás)。

マーチャーシュ・カタリンとの共演
Takumi / Katarin Mátyás

彼は、終演後に知ったことなんだけど、同い年でした。

いや、だって、当日の本番直前のリハに初めましてだったんですよ。(なんなら当日まで誰が来るのかすら分かってなかった笑)

彼とはジャンピエーリの「ヴェニスの謝肉祭」という超絶技巧な1曲をクラリネットで演奏したんですが、そのリハ一回さらっと通してすぐ本番でした。けど、めっちゃかっこよかった!このヒヤヒヤ感、たまんねぇぜ()

・・・というかそれで言うなら・・・

ハプニング???

ハプニングというか、それで言うならですよ。

実はジュリとマーチャーシュと3人で演奏したメンデルスゾーンの一曲があるのですが、渡航前に聞いていた話では「第1番をやろう」ってことになってたんです。たぶん。

それが、ハンガリーについてから「第2番だよ?」ってことになって。

え!?楽譜ないけど!?曲も知らんし、練習場所も無いし、楽譜もそこから譜読みだし!?

そんでさっき書いた通りマーチャーシュの存在を当日まで知らなかったので、パートはピアノ・クラリネット・バセットホルンだけど、ジュリの他に誰が来るのか分からないし!?

なんとかピアノにありつけた日に必死で読んだ

さらにさらに、初合わせが本番直前な上に、結局時間内にリハ終わらず、もう言葉通りの「ぶっつけ本番」ってやつでした笑

いやぁ、このヒヤヒヤ感、たまんねぇぜ(2回目)

・・・でも演奏はめっちゃ上手くいったんだから、本番の集中力ってすごいね。

そんなわけで

なんか長くなってしまった!

けどそんなわけで、梨本のブダペストでのコンサートデビューはこんな感じでした!!

最後に会場の寄せ書き集?(違うね、なんていうんだこれ、芳名帳?)にメッセージ書いてきました!

それでは、今回はこれで!sziasztok!!!

Hotel Victoria

hotel victoria ホテル・ヴィクトリア

 1011 Budapest, Bem rkp. 11.

Jenő Hubay Music Hall Budapest – Hotel Victoria Budapest ****

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