エイフェル劇場で現代オペラを観てきました

学校生活

アメリカ大統領選で世界の情勢が大きく変わるのではないかという真っ只中、僕はというと久々のオペラ鑑賞をしてきました。珍しく音楽留学らしい内容です。(2020/11/7)

ブダペストのオペラ劇場

今回観たオペラはコメディの新作現代作品で、内容はまだ知りたくない!という方もまぁ、いなくはないか??ということで(オペラでネタバレを気にするというのも珍しい笑)、 オペラの内容は最後に書きます!

ということで手始めにブダペストのオペラ劇場事情ですが、ブダペストには現在改修中の国立歌劇場(Operaház。通称Opera。)をはじめ、全3つのオペラ歌劇場があります。

国立歌劇場 Operaház

(▲ブダペストに来てからまだその全貌を見たことがないので、写真はオペラ劇場HPより拝借)

その道それ自体が世界遺産となっているAndrássy út(アンドラーシ通り)に面するネオルネサンス様式の建物。1858年創設のハンガリー国立歌劇場”Opera”です。マーラーやドホナーニといった巨匠達が歴代の音楽監督を務め、バルトークの歌劇『青髭公の城』、バレエ『かかし王子』などが初演された歴史の深い場所です。

しかし、現在はずーーーーっと改修工事をしていて、留学前の受験の頃から本来の姿を目にしたことはいまだにありません。とはいえチケットセンターとしての役割は今も担っていたり、建物の前にはまるで映画広告のようにかっこいいオペラ公演のポスターがずらーーっと並んでいたりします。このポスターの感じ、日本のクラシック界ではまず見ないですよね。楽しそう!

(2023年3月追記:現在は絶賛稼働中です)

そして一応エントランスの中に入ることはできまして、中はとても豪華絢爛な作りを拝むことができます。

エルケル劇場 Erkel Szinház

改修中の国立オペラ劇場の代わりをほぼ担っているのがこちら、エルケル劇場 Erkel Szinház。

作曲家フェレンツ・エルケルの名前が付いたこちらの劇場は、1911年に設立、その後いろいろと体勢を変えつつ今に至るそうです。

今まで僕はビゼーの『カルメン』(現代演出)やプッチーニの三部作『修道女アンジェリカ』『外套』『ジャンニスキッキ』などを観ました。どこか広い洞窟を想像させるような空間で、音響もとてもよいです。

エイフェル劇場 Eiffel Műhelyház

そして今回の会場がこちら、エイフェル劇場。劇場、というか英語訳でオペラセンターが正しいんでしょうか。

こちらは1880年代に建設された鉄道整備場を改修し、2020年からオペラ劇場、およびオーケストラのためのリハーサル会場として生まれ変わったそうです。蒸気機関車を96台も収納できるほどの広大な敷地を持ち、そのロビーには一台の蒸気機関車が飾られています。

今回の劇場内は国立オペラやエルケルに比べるとこぢんまりとしていて、響きの抑えられた生の音を感じられる距離感の近いタイプでした。どこか芝居劇場を彷彿とさせるような感じ。(とはいえもちろん響きはある)。ステージは客席最前列と同じ高さで、その間にオーケストラピットが存在しています。

オペラについて!

さてさてお待たせいたしました!

やっとこ今回観たオペラ作品についてです。

作曲したのはヴァイダ・ヤーノシュVajda Jánosという存命ハンガリー人作曲家(現在71歳)。

タイトルはハンガリー語で『A képzelt beteg, avagy őfelsége komédiása』、英語だと『The Imaginary Invalid or The Cabal of Hypocrites』。日本語に訳してみると『“病は気から”あるいは”偽善者の陰謀団”』。

これ、最初ハンガリー語を無理やりグーグル翻訳に突っ込んだところ「想像上の病人、あるいは陛下の喜劇」となってなんのこっちゃ・・・?だったんですが、よくよく調べていくと、どうやら2つの戯曲のタイトルがくっつけられている、ということがわかりました。すなわち、モリエールの《病は気から》とブルガーゴフの《偽善者の陰謀団(通称:モリエール)》の2つの戯曲を元に作品が作られていると。

ハンガリー語オペラなので、英語字幕必須だったのですが(ハンガリーのオペラ劇場ではたいがい英語とハンガリー語の字幕をつけてくれている)、座った座席からだと英語字幕が80%ほど隠れてしまっていて、なんかもう雰囲気と簡単なハンガリー語でストーリーを把握していました。(ので正しく把握はできていないと思われる。)

まぁ、内容はともかく、胸と又を隠した人体模型がいたり、なんかよくわからんものが並んでいたりという舞台装置、どこかアニメから飛び出してきたような楽しい衣装、振り切った演技ともう演出が楽しいのなんの!!

(▲公式サイトより。真ん中右側の人体模型に注目)

しかし話が進んでいくとテンションの上下とともにシリアス色も出てきて、最後には作品を飛び越えて現実にまで干渉してくるような衝撃の展開に発展しました!!!

コロナ対策でこの公演は客席が半分での上演、またこの公演のすぐ直後ハンガリーは緊急事態政策で再び劇場等が閉められてしまったため、次にこのオペラ作品を観ることができるのがいつになるか全く不明ですが、もしチャンスがあったなら是非是非観て欲しい!!

音楽自体は変拍子万歳、複調万歳の現代音楽だったのですが、もはや劇伴音楽というか、その世界観を表現する演出効果の一つとして完璧に機能していたため、難しいようなイメージは全くありませんでした。

実際、映画音楽とかアニメのサントラとかって割と特殊奏法・変拍子てんこもりですしね!

まとめ

はい、ということでハンガリー人存命作曲家によるハンガリー語オペラ「A képzelt beteg, avagy őfelsége komédiása」を観てきました!というお話でした。

(さっきチャンスがあったら観てとは書いたけど、まぁハンガリー語オペラなんぞハンガリーでしか観れないよねぇ!?)

あぁ、はやくまたコンサートやオペラに通えるような日々が戻りますように!!

それではみなさん、Sziasztok!!

(▲会場にあったエイフェル劇場の模型。広い!!)

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